撫でて掴んでぎゅっとして

老界王神から孫悟空という同族の名を聞いた。
彼はと同じようにサイヤ人でありながら記憶を失い、送り込まれた先の地球という惑星を破壊することなく暮らしてきたのだという。
寧ろその地球を異星人の侵略から守って戦っていると聞くから驚きだ。
も悟空と同じく某惑星で暮らしていたけれど、結局異星人の侵略から守ることは出来なかった。
悟空が守り抜いた地球とは違い、の惑星はその侵略者により滅ぼされてしまったのである。
そしての惑星を滅ぼした異星人こそサイヤ人であった。
世界の破壊は一人の男によって淡々と行われたが、だけは唯一死を免れることになる。
それは他でもない、がサイヤ人の女だったから。
事実上絶滅したと言ってしまっても遜色ないほどに数を減らしたサイヤ人の子を産めるは、その男にとって何にも勝る価値のあるものだったのである。
男によって打ち明けられた話で初めては自身が今まで暮らしてきた惑星の生まれでないことを知った。
「俺とお前で子を成せば純血のサイヤ人が生まれる。上手く育てれば派閥を成す以上の戦力になる」
何を言っているのだろうと愕然とした。
の世界の全てともいえる惑星を破壊した男との子供?意味が分からない。
腕を引かれて宇宙船に連れ込まれ、は虜囚となった。
そんなに対して孫悟空というサイヤ人は抗い続けたということだ。
そこにはサイヤ人の本能のようなものもあったのかもしれない。も時折胸を掠める破壊衝動のようなものを感じたことはある。
特に月の明るい真夜中は気持ちが昂って苦しいくらいだった。
厚いカーテンをきっちりと締め切って目深に布団を被らなければ眠れないほどで。
その衝動を飼い慣らすのではなく、外へ放出していれば悟空というサイヤ人のように大切な世界を守れただろうか。
考えたところで、既に答えなど返ってはこないのだけれど。
さて、その同族の名前が何故出てきたかと言えば、はこれから彼に会いに行くのである。
正確にはその彼が兄と出会ったあたりの時代が改変されていると言うので修正に出向くのだ。
実は、虜囚であったのはとうの昔の話で、現在はサイヤ人の手を逃れた後老界王神に拾われて、タイムパトローラーとして抜擢されたばかり。
そして時の界王神や老界王神から初めての仕事を言い渡されたのである。
前後の関係を壊さないようにするために、改変直後ではなくやや過去からの流れを見せてもらって老界王神の言葉を本当の意味で飲み込んだ。
最初に老界王神が説明してくれた通り、この孫悟空と言うサイヤ人はと境遇が酷似している。
多分、老界王神もそれを承知しているのだろう。巻物の中の彼の話だけではなく、この先の未来の話までぽつぽつとかいつまんで話してくれた。
その話に大きな違いがあるとすればは住んでいた惑星を滅ぼされ、彼はそれを守り抜いたということだろうか。
更に問題の改変部分では孫悟空と言うサイヤ人は惑星を守るために命をなげうとうとまでしていた。(結果的に改変されてしまった歴史では、一緒に死ぬはずだった彼の兄が生き残ってしまっていたのだが)
とにかく彼は全てを掛けて世界を守ろうとしたのであろう。
思わずの手に力が籠った。
既に養父母は亡く、そして恐らく本物の父母すら亡くしているの目の前の机に、奇跡的な確率で出会えた兄弟が結局殺し合う末路が置かれている。
育ってきた文化の違いとは言えこういう結果しかなかったのだろうか。
二人の界王神に見送られながら、は僅かに下唇を噛んだ。



「と、いう事をいつかラディッツ先生にお伺いしようと思ってました」
「くだらんな」
戦闘修行のため、と言う目的で老界王神があちこちからを鍛えてくれる(予定の)人物をコントン都に集めてくれていた。
何人かの元で修行をした後、進級試験も何とかこなし、次に呼ばれた先生の面々を見ては驚きの余り声を失ったものだ。
歴史上死んだ人物の姿まであるのである。(後で老界王神に聞いたらナメック星人の先生も歴史上は逝去されているということで勉強不足を痛感した)
あの時弟を本気で殺そうとしていた男の顔はなかなか忘れられるものではない。
もしかして時代修正時のことを覚えていたらどうしよう……と不安にも駆られたが、寧ろ彼はサイヤ人であるが存在していることに驚いただけのようだった。ほっとした。
恒例の入門テストを受けて、ラディッツはを『上手く育てれば自分が自由に出来る有能な部下になりそう』と、評価付けてくれたらしかった。
そこからまあまあ悪くない関係を築けていると思う。
丁度今日、彼に担任になって貰うためのお願いをしに来ていたので、ついでにあの時感じた気持ちを口にしてみたのである。
「親子だろうが兄弟だろうが自由に使えんものはクズだ。例え俺が殺さなくともそのうち誰かに始末される」
「何言ってるんです。結局始末されたのラディッツ先生だけで、悟空さん今では神様と肩並べてるらしいじゃないですか」
「やかましいっ」
ひゅっと空を切り裂く音がしてお尻の辺りにぱちんと痺れるような感覚が走った。
ラディッツが尻尾で打ったのだ。
「もー、すぐ手ェ出すー。先生ちょっと短気すぎません?」
「馬鹿言え。俺は部下には優しい。出したのも手ではなく尻尾だけだぞ」
「部下じゃないですから。担任と生徒ですから」
「大して変わらんだろうが。ところで貴様、戦闘ジャケットはどうした」
は昨日までタイムパトローラー用の戦闘服を着ていたのだが、今日は上半身だけジャージを着て来ていた。
「あ、これですか?悟空さんのジャージ貰ったんでこれにしたんですけど……変ですか?ちょっとおっきいかなぁ?でも修行ならこれでも十分かなって」
別に命のやり取りをするわけでもなく、戦闘力を高める為やひいては技の伝授を受けることが中心のこの修行であれば、改変の修正に赴くような格好をしなくても良いだろう。
少なくともはそう思っている。
「……、まあ、貴様が構わんのなら問題ない。さて、今日は何をするか……」
「とりあえず移動しましょうよ。ここだと舞空術使ったらめちゃくちゃ怒られますから」
コントン都内でライセンス無く舞空術を使うことは禁止されている。
新参の先生はそれを忘れてうっかり飛んだりして時の界王神にめちゃくちゃ怒られているらしい。
ラディッツはどうだったのだろう?
何となくの言葉にばつの悪そうな表情をしているようにも見える。もしかしたら彼も既にうっかりをやらかした後なのかもしれない。
コントン都には訓練用のシミュレーション装置がいくつも設置されている。
普通の街並もあればフリーザの宇宙船なんて言うピンポイントすぎやしないかと思わせる舞台まで用意されていた。
っていうか本当にフリーザの宇宙船なんて場所で修行をする奴なんてフリーザ軍にしかいないんじゃなかろうか。
特にサイヤ人の先生達(と、言っても現在はラディッツ含め3人しかしない)はあの舞台が本当に気に入らないらしく、誰一人として使用しようとはしなかった。
結局今日の舞台はナメック星である。
「ああ、自由に飛び回れるっていいですねぇ!」
舞空術を会得したものには左右の移動に加えて上下の空間までもが自由になる。
徒歩では回り込まねばならないような場所でも、上からならショートカット可能だったりして、そういう楽を覚えてしまうと飛び回れないコントン都はとても窮屈だった。
呑気にぷかぷかと空中に浮かびながらラディッツと向かい合う。
「お手柔らかにお願いしますね、ラディッツ先生」
「くっくっく、死なん程度には加減してやろう」
身構えれば、身の回りの空気が凄まじい勢いで張り詰めていくのがわかる。
とても細い糸をきつく張り、それが切れるか切れないかの刹那。
冷たい何かがひやりと首を掠めるように撫でていく。
日常から戦闘へと切り替わるこの瞬間に、筆舌に尽くしがたい高揚を感じるのは自身がサイヤ人だからなのだろうか。
心臓が僅かに早くなり、爪先が震える。これを、この瞬間を興奮と言わずして何と言おう。
嗚呼、目の前でラディッツがにやにやとしている。
同じ本能を持つ者同士きっと同じ気持ちに違いない。はそう確信している。



どれくらい打ち合っただろうか。
避けきれない足も拳も数えきれないほど貰ったし、上手くすれば相殺できるはずの気弾だって6割くらいは返せていない。
目の前のラディッツもまあまあ汗をかいているように見えるが、は汗をかくだけでは飽き足らずずっと肩で息をしている。
追いかけ回され、全力で飛び回るのが苦しくて息をつこうと一瞬動きを止めた瞬間、ラディッツに強く胸倉を掴まれた。
「ひゃっ!」
舞空術で制御されているはずの体が、その制御を離れるのが分かった。ラディッツに振り上げられたのである。
重力から解放されたかのように浮いた体は、瞬きの間に投げ飛ばされていた。
「きゃ、あぁっ……!」
思わず声が漏れるほどの力で投げ飛ばされて続いて襲い来るであろう痛みを想像してぎゅっと目を瞑る。
が、その直撃の衝撃は想像したものと違っていた。だぶん!とその体が水の中に沈んだのである。
ごぼごぼと水の音に周囲の音が全て掻き消される。
ここでラディッツの追撃が来たら見つける前にやられてしまうかもしれない。
そんな恐怖がの中に芽生え、水中でもがきながらも何とか体勢を整えて慌てて陸に飛び出した。
するとそこには腕組みしながらを待つラディッツが立っているではないか。
「はーっはーっ……、先生、水に放り込むなんて酷い……。このジャージおろしたてなんですけど……」
「何を言う、地面に叩きつけられるよりは良かったろうが。それより追いかけられているというのに何故足を止めた。あれでは掴んでくれと言っているようなものだぞ」
「だって苦しくて……。まだ先生ほど長い距離飛べないんですよぅ」
ジャージのファスナーを下ろしながらが唇を尖らせた。
そのまま躊躇いもなくそのジャージを脱ぐと、白い肩が露わになる。
更にたっぷりと水を吸ってしまったそれから腕まで引き抜いてしまった。
ラディッツの目の前であるにも関わらず、は殆ど裸のような格好でジャージを絞っている。
そんなをラディッツはただ見ているだけ……ではなかった。
緩慢な動作で近付いて、彼女のサイヤ人である証のような尻尾にゆっくりと手を伸ばす。
無防備にも腰に巻かれずにふよふよと揺れているそれは、の感心出来ない点でもある。
元々サイヤ人として生きていなかったため、サイヤ人の常識に欠けるは弱点を無防備にしがちだ。これを掴まれたら骨抜きになってしまうことを今一つ理解しきれていない節がある。
ラディッツはそんなの尻尾の中ほどを思い切り掴んだ。
「ふぁ……、あ……」
急激に足から力が抜けて、はその場にへたり込んでしまう。
ラディッツはそれをニヤニヤと見下ろしているばかり。
「せ、先生……、そんな、強く……」
「何だ、痛いか?」
ラディッツの問いには弱々しく首を横に振った。
「そうじゃ、なくて……、あの、そこ、そこじゃなくて……」
居心地悪そうに腰を浮かせたが、浅く呼吸を繰り返している。
それに合わせて上下する胸にラディッツは視線を向けた。
見ているだけで短いチューブトップの下着の下の感触をはっきりと思い出せる。
しかし尻尾にしたように、無遠慮に手を伸ばすことはしない。
「ここでなければどこだ?」
「い、いじわる……!根元、根元触って……、ぎゅってして欲しいんですぅ……!」
腰の立たないの傍にしゃがみ込み、要求通りにしてやった。
「はうぅ……それ、それ好きぃ……っ、撫でて、……ぎゅってしながら撫でて……」
喘ぎながら続きを乞うを見てラディッツは自分の征服欲のようなものがじわじわと充足していくのを感じた。
今日、がジャージで現れた時からどうやって脱がせてやろうかと、そればかり考えていたのだ。修行の舞台をナメック星にしたのも、水に叩き込んでやれば自ら服を脱ぐだろうと思ってのことである。
タイムパトローラー用の戦闘ジャケットはサイヤ人用のそれと同じく、胸元がすっきりしすぎていけない。
ジャージも少し大きかったきらいはあるが、の女らしい体つきは戦闘ジャケットを着ているときよりも断然強調されて見えた。
実のところ、とこういう事をするのは初めてではない。
と、言うよりも修行後の高揚感が収まらぬうちに何度もこんなことをしている。
きっかけははっきりと覚えていないが、不思議とはあまり嫌がらなかったことだけが印象に残っていた。初めてではないから平気だと言われたのも意外だった。
なし崩しに気持ちの良いことを覚えてしまうと、シミュレーション用の舞台にはその気になれば誰でも入ってくることが出来ると知りながらもラディッツも止められなくなり……今に至っている。
あまりきつく引っ張るとの可愛らしい尻尾を千切ってしまうかもしれないから、慎重にラディッツは彼女の要求に応えた。
「あたし、脱がすために……水、……に、落としたんですか……?」
「さぁ、どうだろうな?」
「ふあ……あぁん……シたいって言ってくれたら、良いのに……、ああぁぁ、せんせ、すごいぃ……っ」
尻尾の根元を扱かれることにとにかく弱いは、腰をくねらせながら地面の草をきつく掴んでいる。
「毎晩自分で触っているくせにスキだな、貴様も」
「は、あぁ……、最近は、先生だけですぅ……、自分では、シてない、もん……っ」
「口では何とでも言えると思うがな」
ぎゅむっと強く握り込まれて、体がびくびくと跳ね上がった。
思わず絶頂してしまいそうな程の刺激に、目の前が霧がかったように白くなる。
「んン?イったか?」
「ま、まだ……」
焦れったい疼きが足の間に生まれていた。
は震える指先を伸ばして、しゃがみ込んだラディッツの胸元に縋りつく。
胸の中に潜り込んでくるの体を、特に不快に思うこともなく抱きとめてやった。
あちこちで師を変えては修行しているようだが、その体はまだまだ発展途上も良いところで、ラディッツと比べても華奢で小さい。
尻尾は掴んだままでの体を軽く持ち上げると、ラディッツはその場に座り込み、自分の腰を跨ぐような格好にさせて彼女を座らせた。
そして向かい合ったの首筋に顔を埋める。
「あぁ……くすぐった、……」
ラディッツの唇の感触がの肌の上を柔らかく滑る。
「チッ、水に落としたのは失敗だったな。の匂いがまるでない」
サイヤ人は地球人と比較すると嗅覚が優れている。
汗をかいているから匂いを嗅ぐのはやめてといつもは抵抗するが、もっと強い発情の匂いが堪らなくて止められない。
「もうっ、いつも、それやだって言ってるじゃないですかぁ……っ!あ、あ、あ、だめ、しっぽイイ、ごしごしイイぃ……っ!」
少しでも反抗的なことを言う時は、尻尾の根元を強めに擦ってやると可愛らしくなることもかなり前に覚えた。
「はぁっはぁっ、せんせ……あたしも、先生の、シたい……。ね、脱いで……」
の唇の隙間からこの後を想像させる赤い舌が見え隠れしている。
彼女にならば求められても不思議と嫌な気分にならないラディッツは、言われた通り戦闘用のジャケットを脱ぎ始めた。
その間、尻尾を構ってもらえなくなったはちょっと不満である。
「先生もジャージ着たらいいんじゃないですか?それならあたしにも脱がせやすいし」
「はっ、貴様に脱がされるなど願い下げだ」
「楽ですよー?」
「いいから貴様が俺に脱がされていろ」
身軽になったラディッツがを押し倒し、アンダースーツに手を掛けるとそれを引き下ろす。
滑らかな下腹から続くふっくらとしたの丘にラディッツは僅かに喉を鳴らした。
あまり筋肉の付かない柔らかな太股も魅惑的だ。
思わず片足を持ち上げて内股の辺りに跡を残してやった。本当は噛みついてやりたいけれど我慢した。
「ぁん……、先生……あたしも、シたいってば……」
言ってラディッツの足の間に蹲る
何をしようとしているかなんて一目瞭然だった。
「んふ、こんなに……」
自ら取り出した男性器の先端に躊躇いも無くかぶりつく。
ぬかるむ口内は暖かく、蠢く舌先はいやらしい。
「んっ、んっ……」
じゅくじゅくと唾液を啜りながら膨らんだ先端を口の中に出したり入れたり。
くびれたところは特に入念に舌を這わせている。
「はぁっ、せんせ……すごく大きい……」
そう言いながらも美味しそうに深々と飲み込んでいく様は、普段のやや子供っぽい雰囲気からは想像出来ない妖艶な性の色に溢れていた。
ラディッツの腰の辺りがぞわりと重くなる。
初めてと事に至った日も、彼女はこうやって自ら奉仕を願い出た。
女の部下と言う生き物はこういうことをしたがるものなのかと不思議に思ったことを鮮やかに思い出せる。
そしていやらしくもラディッツの男性器を頬張るに寒気がする程興奮した。
「上手いぞ、悪くない……」
いや、寧ろずっと良くなった。
ゆるゆると頭を上下させるの髪をするりと撫でる。
するとは僅かに視線を上げてラディッツを見た。上目遣いの彼女と視線が交わる。
「何だ、物欲しそうな顔だな」
「ふあ、だって、欲しいんですもん」
蹲ったが、強請るように自身の尻尾をラディッツの脚に絡ませる。
その感触はふわふわと柔らかく、甘えるようにすりすりとラディッツをくすぐった。
「まだ始まったばかりだろう」
の体を抱き上げて、ラディッツは改めて向かい合わせに座らせた。
最後に残っていたチューブトップの下着の下に指先を潜り込ませ、ついと上に引き上げる。
「あぁん……」
直視されることに羞恥を感じて思わず小さな声が出た。
ふっくらとした柔らかな乳房が無防備にもラディッツの目の前に晒されて震えている。
彼はの腰を抱き寄せると、その乳房に迷わずかぶりついた。
「んンっ!あっ、あっ……!」
直接的な刺激がを襲う。
ラディッツの勃起を口に含むという行為も、十分性的な気持ちになれるが、やはり与えられる刺激は絶大だった。
ねろねろと濡れた舌先が乳首を捏ね回す。
遠慮など何処にも見当たらない、やや乱暴な愛撫だがラディッツらしくてとても良い。ラディッツにならもっと乱暴にされたって構わないとは思っている。
「ああぁぁ……っ、せんせぇ、尻尾、ねぇ、尻尾も……!」
途切れ途切れに求めれば、空いた手でやんわりとお尻の丸みを撫でられた。
ふにふにといやらしいタッチで揉みしだいている。
時折尻尾の付け根を指先が掠めるが、しなやかに伸びる尾を掴むことはせずに根本の部分の毛を指先で撫でるだけ。
これではの本懐が遂げられない。寧ろ欲求不満が募る一方だ。
堪らずは尻尾を自分の方に手繰り寄せると、中ほどから先端にかけてを自ら掴み撫で始めた。
「くくっ、そらみろ。自分で触っているではないか」
「んン、だって、せんせぇが触ってくれないからぁ……っ」
「言い訳はいらん。手伝ってやるからそのまま自分で扱いてイってみろ」
の自慰にも似た行為を目の当たりにしたラディッツは、ニヤニヤしながらお尻を触っていた手をゆっくりと彼女の前に滑らせる。
すぐにじっとりとしたぬかるみに指先が触れた。の体温も伝わってくる。
この後、この温かなぬかるみに深く押し入るのだと思うと堪らない気持ちになった。
今すぐにでも地面に押さえ付けて犯してやりたい衝動に駆られる。
相手がでなければ恐らく我慢などせず衝動に従って行動していただろう。
しかしは特別なのだ。
彼女はラディッツの初めての部下。特別な感慨が無いわけがない。
「あぅんっ、あ、あ、そこォ……っ」
焦らされて膨らんだ部分にこつんとした刺激が走る。
の太腿がぎゅっとラディッツの腰を挟み込んだ。ぬるつく感触を捏ねるように指先を動かすと、更にその足に力が籠もる。
「んーっ、あ、あぁっ、せんせ……っ」
びくびく震える体がラディッツの指先に感じていることを如実に伝えてしまう。
恥ずかしい。
尻尾を擦る手も止められない。だって気持ち良い。でもこれがラディッツの手ならもっと良かったのに。
「はぁ、はぁあ、せんせ、触ってよォ……」
ふっさりとした毛に覆われた尻尾の先端をくねらせて強請ってみたものの、ラディッツは首を軽く横に振る。
「いじわる……っ、あ、あん、はぁぁ……っ、ああぁ気持ちぃ……」
ぬるりとラディッツの指先が体内に侵入してきた。くちゅくちゅといやらしい水音が響き始める。
「ああ、だめぇ……」
「何が駄目だ。こんなに締め付けてきやがって、そろそろなんだろ?」
「くぅんっ、言わな、いでぇ……あっあっ……!あ、だめ、だめ、……っ」
尻尾を擦る手が早くなっていく。
体内に突き立てられたラディッツの指先をはっきり感じ取れる程、きゅうきゅう締め付けていた。
求めているものではなくとも、疼く体内を掻き回されると快感が膨らんでいく。
ぶる、と体が震え背中がしなった。
「ああぁ、っ!!やっ、イく、イくイくうぅっ……!!」
ぴんと伸びた華奢な爪先が無造作に跳ね上がる。
ラディッツの腰に跨がったままで、びくびくと波打つ体。
じゅわりと溢れる愛液がラディッツの手の甲を伝った。
「っ、は……あ、はぁっ、はぁ……っ、イ、っちゃった……」
目尻を赤く染めぐったりと体をラディッツに預ける。彼の裸の胸に額を押し付けて、深く嘆息した。
淡い眩暈のような浮遊感にくらくらしながら掴んでいた尻尾を手放せば、力なく自分の膝の上に落ちる。殆ど自慰と言える行為だった気がするけれど、じんわりと体を包んでいる余韻は本物だ。
少し落ち着くまでラディッツの胸に甘えていよう……。
はそんな風に思っていたのだが。
「きゃあ、っ!やだ、ちょ、待って……!」
突如襲い掛かる衝撃には堪らず体をぎくりと跳ねさせた。
極まった直後の感じやすい体を苛むラディッツの手が、の尻尾をぎゅっときつく握ったのである。
「掴んで欲しかったんだろう?」
「んうぅぅっ、今は、あっあっ、だめぇ……っ、ああぁあぁきもちぃ……っ!」
「扱かれるのも好きだったな」
厭らしく目を細めたラディッツが緩やかに手を上下させる。
途端、ぞわぞわと肌が粟立つ感覚が呼び起こされた。
「ひあ、あっ、あー……っ!」
再びの膝がぎゅっとラディッツの腰を挟み込む。
それだけでは飽き足らず、性感帯を刺激され続けているは強請るように腰を押し付けてきた。
ラディッツの膨らんだ男性器に、のぬかるみがねっとりと纏わりついてくる。
まだ彼女の体内でもないのに期待が高まってしまうではないか。
ラディッツは彼女の腰を優しく抱き寄せ、緩やかに腰を揺すってみた。
「あん、あぁ、そんなことしちゃ……だめ、だめぇえ……。先っぽで、ぬるぬる、しないでぇ……」
触れ合った粘膜に勃起の先端を押し込むのではなく、濡れた溝をにゅるにゅると擦る。
下品な愛撫にも感じ、恥ずかしがっていやいやをするが可愛らしくて仕方ない。
しかし飽くまでも部下である彼女にそんなことは絶対に言えないので、ラディッツはわざとらしく溜息を吐いて見せる。
「あれも嫌だこれも嫌だと貴様は我儘な部下だな。ならばどうされたいのだ」
「はぅ、今日は何でそんな意地悪なんですかぁ……」
の蕩けた目元が困ったように下がっている。可愛い。堪らない。
惹き寄せられるようにラディッツはその目元に唇を触れさせた。
ちゅ、ちゅ、と何度か掠めるように触れ、そのまま耳元に移動する。
ほんのりと赤みが差す耳朶をやんわりと食んだ。
そしてその耳元で改めて命令する。
「言え」
ラディッツの性の色を含んだ掠れ声にの足の間がきゅうううっと戦慄いた。
声だけでイかされそう。欲しい。深いところを思い切り犯されたい。
「せんせぇの、入れて欲しいんですう…!ナカ、っ、いっぱいにしてぇ……!」
瞬間、下腹部にぐっと重い圧迫感を感じた。
「んはぁっ、あっあっ!ああぁっ……!」
「く……、こら、少し力を抜け……」
多少指を突っ込んだとはいえ、殆ど慣らしていないそこは濡れていても狭い。それでも腰を使って浅く出し入れすると、ぬかるみが柔らかくなっていくのが良く分かる。
「んン……!あ、あ、すご、入って……おっき、ぃあ、ああぁ……っ」
ぐぶぐぶと侵入してくる熱い感覚。
押し広げられる瞬間の快感で、何度も腰がいやらしく跳ねた。
それだけならまだしも、ラディッツの手は未だの尻尾の根元を掴んでいるのである。
「はぁっはぁっはぁっ、しっぽイイっ……!あ、はぁあ、あぁ、ぎゅってしてぇ……っ、せんせ、しっぽ、もっとォ……!」
言われなくともそのつもりだった。
きつく掴むとその分ナカの締まりが良くなることを知っているラディッツは、が求めるままに尻尾を乱暴に引っ張った。
「ふあっ、あーっあーっ!それそれ、それすごいよォ……!!」
掴んでいるの尻尾は興奮で毛羽立ち、質量を増したようにさえ見える。
こうなってくるとはすぐ絶頂に達してしまうのだ。
それでなくとも搾り取るようにきゅうきゅう締め付けてくる。誘われるままにラディッツはの体内に一気に男性器を突き立てた。
「ひ、あ、あぁ、ああぁぁっ…!!」
こつん、と先端がの深いところに触れる。その刹那、彼女は白い喉元をラディッツに晒しながら絶頂していた。
がくがくと腰が震え、息が止まる程の快感の波が遠慮なくに押し寄せてくる。
「う、っ……。は、どうした。今日は随分早いな……」
「っ……あ、っあ……、あは、あぁぁ……だ、だって……、すっごい焦らされたからぁ……」
柔らかく力の抜けるの体を抱き止めてやり、その顔を覗き込む。
既に二回もイかされてしまい、疲れたように瞳は弱く閉じられているが、ひっきりなしに浅い呼吸を繰り返している小さな唇からは赤い舌がちらりと見えた。
嗚呼、堪らない。止まらない。
思わずふっくらとした唇にかぶり付いた。
無遠慮に舌先で割り開けば、じわりと広がるの甘やかな味。
「ん、ン……っ、んは、っ!んぅ、んっんっ……!」
苦しそうな呻き声が上がるが全て無視する。
掴んでいた尻尾も開放して、代わりに肩を掴みその場に押し倒して彼女の体内に注挿を始めた。
「んう!うっ、うぅ、っ!はっ、ふ、あ、あ、っ!」
息苦しくて逃げようとするのを追いかけてくるラディッツ。
口内をぞろりと撫で、ぬめる舌先を擦り合い、混じり合った唾液を垂下する。
どちらかと言うと愛情表現に欠ける節のあるラディッツが(恐らく上司と部下という彼自身の線引きが枷になっていると思われる)、こんなにもじっくりと唇を交わす方が珍しい。
それはとても嬉しいのだけれど、このままでは息が詰まってしまいそう。
は必死で胸を押し返し、何とか離れてもらった。しかし見上げたラディッツは、眉根を寄せて何とも不満そうな顔をしていた。
「何故逃げる」
「はぁっはぁっ、窒息、しちゃいます……っ」
粘膜で繋がったまま睨み合うこと暫し、ラディッツが改めて顔を近付けてきた。
「は、ん……っ、あふ、せんせ……」
ゆったりとラディッツの首に腕を回す。サイヤ人特有の硬い髪がの腕に触れた。
「はぁ、先生、気持ち良いですぅ……もっと……」
犬のようにラディッツの唇を舐めながら乞うの姿は彼の自尊心を満たすに十分すぎて。良い気分での唇を何度も吸う。
「ん、ん、……んは、んン、ふ、ぁん……先生ェ……、あ、あぁぁ……」
緩やかに再び腰を揺らすと、の腰が少しだけしなった。
僅かな動きですら感じてしまう姿が堪らない。
ぬかるみから腰を引いて、焦れったくゆっくりと押し込んでやったらあからさまに膣壁が窮屈になった。
「あぁぁぁぁ……!こすれるの、きもちぃ……っ」
ねっとりと男性器を舐めるように戦慄くの体内の感触。ラディッツもぞくりと僅かに背を反らせる。
「んふうぅ……、あ、ゆっくり、されたら……っあ、あぁぁ……気持ち良いカタチ、わかっちゃうよォ……っ」
突き立てられる度に何度も背中をしならせる
連動するように体内はきゅうきゅう締め付けてくる。思わず声が出そうになってラディッツは下唇を噛んだ。そして深く息を吐く。
殆ど前後不覚になっているとは言え、体の下に押し倒した彼女は部下なのだ。
情けない声を聞かせてなるものか。
「は、あぁ、そこ、それ……っ、いい、イイよォ……っ、せんせ、っ、あは、もっと、もっと……っ!」
はラディッツの腰に弱々しくも足を絡めて催促をする。
視線の先で険しい顔をしている彼の表情に寒気を覚えるくらい興奮を感じた。
「せんせ、めちゃくちゃに犯して……好きにしてイイから、もっと思い切りされたいよォ」
直後、は見た。
ラディッツの喉が上下するのを。
獲物に喰らい付く直前の、獣を。
「貴様は…、…っ」
何故だろう、愉悦を得るはずの獣が苦しそうに顔を顰めるのは。
どうしよう、そんな顔をされると猛烈に興奮する。
がゾッと肌を震わせたのと、ラディッツが彼女の腰を荒々しく掴んだのは殆ど同時だった。
「っ!!」
体内を貫く凶器に思わず息が詰まる。
ずんっと体の芯に響く深い結合は、に声さえ上げることを許さなかった。
自ら望んだことではあるが、本当にラディッツは容赦がないのだなぁと思う。涙すら滲むのは快感が強すぎるからだが。
「あっあっ、ああぁぁ、すごい、ィ……っ!は、あ、あぁ、あんっ、あぅんっ……」
ラディッツ自身は声一つ立てないが、荒い呼吸が発情を物語っていることに気付いていないのだろうか。
それに時折足に触れるラディッツの尻尾……の尻尾に負けず劣らず毛羽立っている。
今この瞬間、口にはされずとも雌として認められ、求められているのだ。嗚呼、下腹が重苦しく疼く。
柔らかな内側を焦れったく擦られるのも蕩けそうに気持ち良いけれど、ラディッツのことしか考えられなくなるこの瞬間が堪らないのだ。
「奥ぅ、すごいよォ……っ、センセ……、もォ、っあぁ、イきそう……っ」
じゅぶじゅぶと遠慮なく粘液をかき混ぜる音にぞくぞくしながら、体を波打たせる
乱暴に体内を蹂躙されてこそ、背筋を這い上がる興奮も増すのである。
「嗚呼……、イけ……、っ」
眉根を寄せるラディッツが、しかし僅かに笑って見せた。
ぐりぐりと押し付けられた先端の感覚はを一層竦ませるのに。
それなのにラディッツは、止めを刺すように無防備に投げ出されていた尻尾を思い切り掴んだのである。
「ひィ、っ!」
引き攣った悲鳴のような呼吸が漏れ、ラディッツの背中に爪を立てる。
性感帯を刺激された衝撃で目の前に一瞬火花が見えた。
絶頂の予感に波打つ膣内の収縮にラディッツもぞくりとする。意地でも声は出さない彼も絶頂が近いのだと思うと妙に興奮して、足の間がきゅうんとしてしまう。
それに、声がなくとも獣のような荒い吐息だけで十分ラディッツの熱は伝わっていた。
腰つきが速度を増し、ラディッツの先端がの一番深い部分を荒々しく突いた瞬間、彼が掴んでいたの尻尾を力任せに引っ張った。
ぞぞっと全身総毛立つような快感が腰を駆け上り、はラディッツの腰を膝で思い切り挟み込む。
「あーっ!だめイく、イくイくイくっ!!」
しなる背中が硬直し、ぴんと伸ばされた爪先がびくっびくっと痙攣する。
つられるようにの体内もきゅうううう、ときつくラディッツを締め付けた。
「――っ、く、……は、っ」
「あっあっ、先生ぇ……、まだ、イってるのにぃっ、突いちゃ、ぁあっ、だめですぅっ……!」
いやらしくびくびく震えて絡みつく粘膜を更に抉るラディッツ。
逃げたがるの腰を無理やり押さえつけて二度、三度とピストンする。
「っ…!」
「ひゃあっ!……あはぁあ、せんせいの、あついの……でてるぅ……」
僅かにから遅れて、ラディッツも漸く本懐を遂げた。
体内を打つ迸りにの体は快感を拾い、彼女の意思を離れてびくびくと波打つ。
「ああ、すごい……まだ、でてる……おなかいっぱいになっちゃう……」
どぷどぷとナカに広がる熱。
絶頂後の余韻で鈍る脳内に、体内から溢れて伝い落ちる感覚だけがはっきりと感ぜられていた。
そして暫くはお互い言葉もなく、ただ荒い呼吸だけを交わしながら抱き合っているのだが、ある程度呼吸が整うとラディッツはさっさとから離れてしまう。
いつも必ず先に離れるのはラディッツだ。弛緩した体を地面に投げ出して離れていく体温をはこっそりと惜しむ。
離れ離れになる体を、ラディッツは寂しく思ってくれたりはしないのだろうか。
「先生……」
思いのほか声が小さかったのかラディッツは振り向きもしない。
「先生ってば」
今度はもう少し大きな声をかけてみた。
面倒くさそうな背中がゆらりと動いて彼がの方を向く。
「何だ。裸で転がってないで早く服を着ろ」
「濡らした張本人が何言ってんですか。それより、今度は修行抜きで尻尾掴んでくれません?おろした服毎回濡らされるの嫌なので」
先端をくねらせた尻尾をゆらゆら動かして挑発的な態度を示してみた。安っぽい挑発ではあったが、しかしそれでもラディッツはその尻尾を緩慢に掴む。
そしてきゅむきゅむと力を入れたり抜いたりを繰り返した。
「あ……、あん、はぁん……」
「これだけされても懲りんな、貴様は」
ふにゅふにゅ、むにむに。
嗚呼、やっぱり気持ち良い。彼にされるのが一番いい。
もっとして、もっと。撫でられたいし、掴まれたいし、ぎゅうってされたい。
「はぁあ、先生が良いんですぅ……もっとして、せんせ……」
「ヤりすぎて馬鹿になったか?今日はもう終わりだ」
冷たく吐き捨てて、ぱっと尻尾から手を離してしまうラディッツ。
中途半端に投げ出されてしまい、は僅かに俯いた。しかし。
「だがまあ、いずれ修行が終わったら、貴様の気が済むまで付き合ってやっても良い」
続いた言葉にぱっとは顔を上げる。
視線の先のラディッツは、声をかける前と同じく面倒くさそうにに背中を向けていた。にとって残念なことに表情を伺うことは出来なかったが、しかしそれでもはにんまりと笑う。
「ねぇ、先生。めちゃくちゃされて立てないんですけど。手伝ってくださいよォ」
「調子に乗るな。甘えるな。手は貸さん」
「ちょっとくらい良いじゃないですか。可愛い『部下』のお願い聞いてくれても……」
ぴく、とラディッツの肩が反応する。
今までが自身の事を『部下』と表現したことはない。何故なら彼女にとってラディッツとはやはり先生だからだ。
だからこんなことを口に出すのは多少信念に反してしまうのだけれど……。
「ねーぇ、ラディッツ様ぁ」
「くっ、貴様……卑怯な手を……」
苦虫を噛み潰したような顔で振り返ったラディッツが不承不承といった様子で手を差し出してくる。
はその手を握り返しながら悪戯っぽく笑った。